なぜPUBGは流行っているのか
最近流行のPCゲームと言えば『PUBG』
その勢いはとどまる所をしらず、PCゲーマーの少ない日本でも圧倒的人気を誇っています。
■参考記事
・『PUBG』が800万セールスを突破
https://www.gamespark.jp/article/2017/08/21/75306.html
・世界で最もPUBGを好きなのは日本、4人に1人がプレイ中と判明
https://damonge.com/p=22733
上記2記事を要約すると
①セールスが800万本突破、1本3300円
②ピーク時の同時接続人数は87万人超え(8/28現在)
③Steamの同接人数ランキングでここ数年不動の2位だったCS:GOを抜いて2位に
→8月27日に王者Dota2を抜きSteamの『1位』に
④日本のコアPCゲーマーの25.4%が本作をプレイ
とPCゲー不人気大国である日本でも珍しくこのPUBGは流行りの兆しを見せています。
特に8月27日にsteamの同時接続人数のランキングでDota2をこえたのは、歴史的な瞬間でした。Dota2は昔から世界的に超有名な無料のゲームで、世界大会の賞金総額が20億円をこえることでも知られているesportsタイトルです。ちなみにジャンルは『MOBA』
1位はDota2、2位はCS:GOという常識をたった発売5ヶ月のゲームが抜いていく凄さ。それも無料ゲームではなく3300円と有料のゲームが…本当に凄まじいです。自分もPUBGにドハマリしていて購入してから約3ヶ月になりますがプレイ時間は300時間をこえ、今も友達と毎日遅くまで一緒に楽しんでやっています。ちなみに累計ドン勝30回くらいです。
そんなPUBGが更にすごいのはまだ「アーリーアクセス版」であること。
要するにβ版的な、まだ正式版ではないんですよね。現在遊べるステージは1ステージのみで、ゲームモードもそれほど多くはないんです。今後多くのゲームモードであったりマップなど、ゲームを更に面白くする要素が追加されていくというアナウンスがされていますし、さらに面白いゲームになっていくでしょう。
恐るべし『PUBG』。そんな『PUBG』をこのブログを読むだけでわかっちゃおうというのがこの記事の目的です。
■0からわかるPUBG!
■なぜPUBGは面白いのか?
■esportsとしてのPUBG
以上3本だてでお送りいたします。
~0からわかるPUBG!~
◆基本情報
ゲームタイトル:PLAYERUNKNOWN'S BATTLE GROUNDS(通称PUBG)
呼び方:ぴーゆーびーじー、ぱぶじー、ぱぶげ etc
価格:3300円
ハード:PC(steamにて販売中)
開発元:Bluehole
(※韓国の企業、元々TERAという超キレイなMMORPGを作っていた所)
ジャンル:TPS(サードパーソンシューター)
→三人称視点のシューティングゲーム、スプラトゥーンとかと同ジャンル
→ちなみにFPSは一人称視点のシューティングゲームのこと。ちょっと違う
https://www.youtube.com/watch?v=RU_AcN_72K8
◆ルール説明
PUBGのルールは簡単に言うとバトルロワイアルです(ビートたけしの映画のアレ)
”100人のプレイヤーは廃墟の残る無人島に投下され、そこで銃やアイテムを拾いながら最後の一人を目指して生き残る。”
飛行機から100人のプレイヤーがそれぞれ色々な場所へと降下していく
・基本情報
銃の種類:ハンドガン、アサルト、サブマシンガン、ショットガン、スナイパー
①最初は何も装備していない!
プレイヤーは地上に降りてから武器を探して戦う。同じ所に降りた人たちは素手で殴り合うことも。
(※銃を拾えず素手で殴りに行く所)
②装備やアイテムは完全に運!
どこに何があるかは行ってみないとわからない!
序盤強いショットガンを手に入れる人もいればハンドガンしか拾えない人も。さらには銃も拾えずフライパンや素手で戦う人などなど。
またPUBGには銃の種類だけでなく、銃に付与出来るアタッチメントも多くの種類がありますし、回復アイテムなどもあるので色々な組み合わせが生まれ、結果的に100人それぞれが全く違うプレイヤーとなっていきます。
③一定時間ごとに生存可能範囲が狭まる!
この島にはなぜか毒ガスがあり、なぜか一定時間ごとに狭まってくる。(下図青円)
即死というわけではないが、生存可能範囲外にいるとダメージを継続的に受けるためプレイヤーは生存可能範囲内(下図白円)に追い詰められていくこととなる。最初はかなり広い範囲ですが、最終的には超狭い範囲になります。
一定時間ごとに狭まっていくため、1ゲームは長くても30分程度とテンポよく進んでいきます。もちろん途中で死んでしまったら新しいゲームをすぐ始めることが可能です。
(※白い円の狭まり方は完全にランダム)
④足音とか色んな音がよく聞こえる、一々でかい
20mくらい離れてても足音が聞こえるので近くに敵プレイヤーがいることは容易にわかる。他にも銃撃音であったり、ドアの開閉音だったり。
一般的なFPSより音の把握がしやすいため、初心者でも音を聞きながら戦える。
どの方角を歩いているのか、建物なら何階を歩いているのか、武器は何を持っているのだろうか等など、常に適度な緊張感のある戦いを楽しめるのです。
⑤一人モードだけじゃない
PUBGには1人、2人、4人モードが存在していて、一人で遊ぶことも友達と遊ぶことも。また全く知らない他人とチームを組んで戦うことも出来る。これが意外に楽しくて、めっちゃ仲いい韓国人の友達が出来たり中国人と発狂しながらプレイしたり。
⑥ドン勝!
そして100人のプレイヤーがアイテムを集めたり、殺し合ったり、隠れて逃げたり、車で爆走したり。様々なストーリーがありますが、30分たった頃にはゲームも終盤に差し掛かります。
このゲームの勝者は1位のみ。どれだけキルしてようが、どれだけ強い武器を持っていようが、最終的に生き残った1人に与えられる称号、それが【ドン勝】です!
翻訳ミスと言われているこの文字。印象的すぎる【ドン勝】という単語を求めてプレイヤーは日々プレイし続けるのです。
◆なぜPUBGは面白いのか?
①毎ゲーム違う展開が訪れる
ルールの部分でも触れましたが『PUBG』には様々なランダム性が存在しています。それにより全てのゲームは違うゲームになり、100人のプレイヤーにはそれぞれのストーリーが生まれます。
(飛行機のルート、スタート位置、装備、生存可能範囲、立ち位置、弾のブレ、乗り物、地形)などなど、これらの多くの変化要素が、今までになかった場面、戦い、珍プレイや好プレイなどを生み出すことで本当に何時間やっていても飽きない楽しさがうまれるのだと思います。
さらにこれらの運要素のおかげで絶対的に強い人が絶対に勝つわけじゃないんですよね。上手くなくてもワンチャンゲームに勝利することが出来る。それがユーザーを多く広める要因になったのではないでしょうか。
1ゲーム終えたら「あ、もう1ゲームやろう。」そんな風に思えるのです。
②殺し合いより上位に勝利目標が設定されている
個人的に『PUBG』が流行っている理由はここにあると思っていて、
『PUBG』は殺すことより生き残ることが最終目標となっている。
わけです。
・序盤から殺し合いドンドン強くなっていってもよし
・とにかく逃げたり隠れたりしながら人が減るのを待ってもよし
と、ユーザーごとによってそれぞれの楽しみ方が存在していて、それが許容されているゲームバランスになっています。
実際に先日行われた世界初の招待制の世界大会で優勝した選手はほぼキルをせずに安定して上位に入り込み優勝と、『PUBG』のゲーム性を表す良い大会でした。
(※1試合に10人以上キルする選手もいる中、その選手は全3試合であわせてたった4キルだけで優勝)
さらに2人や4人チームでやる時もパーティーごとのプレイスタイルが出てきますし、多種多様なプレイスタイルが存在していて、それが許容されている。それが面白い。
自分自身全くFPSはガチ勢ってわけではないけど勝てることはあるし、本当に誰でも楽しめる。凄い。
例えばキルは少なくても勝てる試合があったり
逆に結構キルできてても最後負けて2位になったり。
ただ撃ち合うだけでなく立ち回りとか色々考えてプレイするのが本当に楽しい…
戦法が上手くハマったらドーパミンがダバダバでるし、負けたら悔しさにもう一回やりたくなる…
③配信が楽しい
配信もそれぞれの配信者によってカラーが違って楽しいです。
面白い配信もあれば、圧倒的に上手い配信や、かわいい女性プレイヤーがプレイする配信など、様々な配信があり、視聴者も多種多様な配信を見ることが出来るんです。
というわけでOPENRECで配信している方にもガチ上手い系から面白い系、可愛い系と様々な方がいるので是非暇な時に配信を見ましょう。個人名は控えておきます。
ここまで読んでいただければ後はもう実際のプレイ映像をあわせて見れば完璧でしょう!
是非OPENRECで良いPUBGライフを!
◆esportsとしてのPUBG
さて、それではesportsとしてのPUBGはどうでしょうか。
大会シーンはまだ数が少なく、大きなものとしては8月にドイツのGamescom(TGS的な)で行われた招待制世界大会「GAMESCOM PUBG INVITATIONAL」くらいでしょうか。
・会場の様子
賞金総額は約3500万円。発売して間もないゲームとしてはかなり大きい賞金規模になっています。
日本からはプロゲーミングチームDetonatorの選手たちが参加しかなり良い結果も残していました。他にも上位に入った選手は海外の有名チームであるTSMやC9の選手などもいて、PUBGにプロチームがどんどん力をいれて参入してきているなと実感しました。
esportsにおけるFPSというジャンルは「QuakeⅢ」などを始めとして、最近では「CS:GO」や「Overwatch」など多くのファンを集めており、PUBGの選手はこれらのゲームのプロ選手が兼任しているパターンが多いです。
例えば日本でも、プロeスポーツチームのDetonatioN GamingはOverwatch部門のSUMOMOXqX選手やBattleField部門のDustelBox選手など、FPSゲームのプロ選手がPUBGで活躍しています。
こういった背景もあり、選手やチームに対する固定ファンも多いですし、FPS系統のゲームを観戦するという文化も既に出来あがっている状態にあります。
また、PUBGは買い切り型のゲームで、ゲーム内の課金による優劣はつかないため、日本の法律的にも大会を開きやすいのは良い追い風となりそうです。
後はどうやるか、そこだけでesportsとしてのPUBGは海外ではもちろんのこと、日本でも広がっていくチャンスがあると思います。
・現状の問題点
esportsとしてのPUBGの未来は明るいといえますが、いくつか問題点もあります。
①絵作りの難しさ
例えば、カードゲームのシャドウバースや格闘ゲームのスト5であれば1対1の戦いなので、1試合で写す選手・情報は2人だけ。チーム戦のLoLであっても5対5なのでせいぜい10人。
これだと映すべき情報は少ないですし、LoLや他FPSはMAPが狭いので観客からしても見やすい。全体の流れを俯瞰しやすい。
ですが、PUBGは100人ですしマップも超広大。誰が誰を殺したとかは左下の小さいキルログでしか流れないし、みてる側は全体の流れが非常に把握しにくいんですよね。
これが配信の絵作りをかなり難しくさせていると思います。
多くの選手の視点に切り替えていると、視聴者がゲームに感情移入する暇がないし、上手い人の上手いプレイを狙って写しに行こうとしてもゲームの性質上中々出会えなさそう。
純粋に上手い人の上手いプレイを見るだけ(それもスーパープレイに出会えるとは限らない、芋プレイの人見ててもそんなに面白くないし…)はそもそも大会じゃなくてその人の個人配信でええやんってなってしましますしね…
同時進行していく大きなゲームを、どういうように1つの画面で見せるのか(もはや1つの画面にこだわらなくてもいいのは…?)
などなど、現状の大会シーンの配信ではまだこれに対する解答が出てきていないので、今後上手く作っていきたいなと思います。
それこそ実際に元ネタとなった映画「バトルロワイアル」のようにストーリー性を持った展開になればとても熱い…
②コスト
PUBGはハイスペックPCが必要であり、さらに選手間でインターネット回線やPCスペック、デバイスなどに差が出てはいけない。もしも購入すると考えるのであれば
・ハイスペックPC(15万円~)
・ゲーミングモニター(3万円)
・ゲーミングヘッドセット(1万円)
・ゲーミングマウス&マウスパッド(1万円)
と雑に計算しても1人あたり20万円。ゲームの性質上100人で対戦を行うので、オフラインでの大会を開催するとなると機材周りだけで2000万円近くコストがかかります。それに会場費人件費配信費ネット回線etc、と果てしなくお金がかかってきます。
これらを上手く削減する、もしくはオンライン(※不正対策がかなり難しいが)とオフラインを組み合わせて上手く運営していければ解決しそうですね。
③不正対策
ちょうど上記で不正の話を出したので次は不正に関して。大会に関して考えられる不正としては
1.チーミング
チーミングとは、本来チームではない人たちが意図的にチームを組むこと。
例えば1人用モードの試合なのに2人でチームを組んで試合を有利に運ぶとか
これは参加者をランダムな試合に振り分けたり、服装やスキンなど同じものに統一したり、試合の流れを常に監視したり、マンパワーでなんとか防げそう。
とはいえお互いポチンキ(地名)は避けようとか最終円は北側にいかないようにしよう、とか「○○しない」系の誓いを個人間で試合が始まる前に予め共有されていたら、防ぎ切ることは難しそう。とはいえ致命的な不正にはならないため、上記の対策さえしておけばひとまずは問題はなさそう。
2.替え玉
替え玉とは、Aのアカウントで別人のBがプレイすること。例えば一般的なプレイヤーがプロにプレイをお願いして結果を残したり。それで賞金は山分け。
オフラインの大会であれば、身分証での本人確認などで対策は出来ますが、オンラインで大会を開催した場合替え玉を防ぐことはかなり難しいと思います。webカメラでの映像を義務にするとか、そもそも替え玉はしょうがないって感じで割り切るか。
そもそもオンライン大会は不正をある程度割り切っている所が多いので、このままでもいいのかもしれません。
特に今後高額賞金の大会が増えてきたらこの辺りの問題は大きくなっていくでしょう。
ここまでを考えるとやはりオンラインよりはオフラインの方が大会としては不正もなく成り立つと思いますが、オフラインはオフラインなりの問題点もあります。
3.デバイス関連
例えばヘッドセットを少しずらす行為。些細なことに見えますが、会場内で流れている実況解説を聞けばアドバンテージに繋がりますし、チームプレイ戦であれば他チームのボイスチャットを聞くだけで有利になる。これを防ぐには多くのジャッジスタッフが必要になりますしそれだけ人件費もドンドンかかってしまう。
また、個人使用のデバイスを断るのか否か。マウスやマウスパッドは個々人で違うセンサー速度でプレイしていますし、その環境を統一しろというのは上位ゲーマーになればなるほど厳しい話になります。となるとデバイス依存のマクロとか許容するのか否か、許容しないとしてどうやって防ぐのか。結構ここら辺は細かく考える必要がありそうです。
④実況解説、特にカメラの質
最後に実況解説とかのお話。
上記の世界大会でも多く見られたのがカメラ問題。
自分も視聴者として大会を観戦していて何度か「いやそこで視点変えんなよ!!」ってツッコミたくなる所が多くありました。
現状観戦モードで視点切り替えには数秒ラグがあり、操作がかなり難しくなっているので、ここはゲーム側の改善とカメラ操作側の改善がされるとよいなぁと思います。(※既にアップデートで観戦機能を向上させる予告はでてる)
LJLのカメラとかすごいいいですよね。そのためにも定期的なPUBG PARKのような開催がされるとカメラ回せる人が増えて良いのではないでしょうか。その技術の向上が配信自体のクオリティを大きく上げるのでここはかなり大事な所になりそうです。
また実況解説もまだ手探りな部分が多いと思いますが、誰がこのポジションを取りに来るのか今後が楽しみ。
とはいえ『PUBG』はまだアーリーアクセス版。ここらへんの些細な問題点も、今後のアップデートや運営次第でどうにかなりそうだからやっぱり『PUBG』の未来は明るいなぁってことで〆たいと思います。
それではまた
今後アップデート予定の砂漠MAP
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